あなたは死に愛される
死に愛されるのは
至上の幸福であり
呻き声さえ忘れて
目を閉じてただ身を任せるばかりで
気まぐれに身をよじって
ふっと瞼を開けて、また閉じる
凡夫には一生に一度きりの
人によっては一度でさえ訪れることがない
あの死の瞬間と漂う
離せば墜落する筈だった身が
ばらばらに自分をなくして
すべてに溶けあって
重くのしかかっていたすべてが
私を私たらしめ、世界を世界たらしめていたものが
消え失せることで果てなく
同様に死に愛されるのは
至上最高の退屈であり
自らは何もすることがなく
そして同時になにもなく
しかしあなたは死に愛された
観念して眠りなさい
あなたの部屋へ帰って来た死を迎えてやりなさい
死のない生などあり得ないのはわかるでしょう
生のない死などあり得ないと知っているでしょう
あなたが生を創造すれば
呼応した深い死が貴方を抱くから
