君と歩く美樹へ

おしゃべり逃げ出し君と歩く
おしゃべり大嫌い、なんておしゃべりしない
君はただ歩いている
ゆっくりと揺れる木々
葉の裏の虫
風が撫でていく
おしゃべりするとなくなる全て
君が好きだよ
君が好き
なんておしゃべりしない
君とただ歩いているから
砂利を踏みしめる音
息を吐くおと
頬が染まって
睫毛が動く
君が好きとかあいつらが嫌いとか
そんなこと連れてかないで
また逃げ出そう、また外に出よう
そこに君がいる
もう君が僕のことを
好きだろうか嫌いだろうかなんて考えない
君がいて僕がいて、ただ連れ立って歩いている
おしゃべりするとなくなるすべて
君がいて、君がいて、君がいて
また会えたことが嬉しくて
また君と歩けるのが嬉しくて
ただこの日のためだけに
雨の夜も雪の日も太陽はあり続けて
からっぽな心が身体ごとのみこんでしまわないように
歩いて歩いて、君のいない道を歩いて
ただ寂しいだけの僕を、君は外へ連れていく
君がいるかもしれないと
木の影を探して
葉の裏を覗いて
風の姿を探して
君の声でたくさんのことに気付く
君がいて、君がいて、君がいて
また会えたことが嬉しくて
また君と歩けるのが嬉しくて
ただその日のためだけに
僕は生きている
