月に捧げる
Image by Dejan Zakic
美樹へ

月に捧げる

願い事は月に捧げるもので
流れ落ちる星ではない
願いを聞いているのはいつも月だ
星は落ちるばかり

星が瞬くのはイエスかノーだ
月は在り続ける

湖に蕩ける
山の稜線
桎梏の炎
ふくよかな樹冠
蝋染の赤を這う水滴
一斉に飛びたつ

願い事は貴方に捧げるもので
輝かしい夢などではない
忘れている者にとっても全く逆だろう
そして思い出した者にも逆なのだ
私達は自由を手に入れるのではなく
自由を知りたいから不自由に生きる
満たされていないと知るのは
確かに満たされていたからで
貴方の中で私は、貴方を探す遊びをする

染まる世界
素知らぬ雲の上

11. 透明な日差し