月に捧げる
願い事は月に捧げるもので
流れ落ちる星ではない
願いを聞いているのはいつも月だ
星は落ちるばかり
星が瞬くのはイエスかノーだ
月は在り続ける
湖に蕩ける
山の稜線
桎梏の炎
ふくよかな樹冠
蝋染の赤を這う水滴
一斉に飛びたつ
願い事は貴方に捧げるもので
輝かしい夢などではない
忘れている者にとっても全く逆だろう
そして思い出した者にも逆なのだ
私達は自由を手に入れるのではなく
自由を知りたいから不自由に生きる
満たされていないと知るのは
確かに満たされていたからで
貴方の中で私は、貴方を探す遊びをする
染まる世界
素知らぬ雲の上
