身嗜み
僕は君に絵を描く
君に贈るためではなくて
ただ僕の身嗜み
君は僕の絵を見ないだろう
見たところでなにも言わない
たとえ僕がどんなに美麗な絵を描いても
君には敵わないのだし
君の愛するものにも敵わない
君の瞳に映るのはあの落ちる夕陽
君の瞳の色を透かす
その色を映す身嗜み
僕は君の為に言葉を綴る
それは君に知ってもらいたいからではなく
ほんのささやかな身嗜み
君は僕の露跡を見ることはないだろう
なにより見られたくないし
いつかの君の落とし物を
拾える言葉があれば
僕は君の為に日々を紡ぐ
その影を君が目撃することはないが
全ての日々は君に捧げられる
