私はいつ私を愛せるんだ?
青い森からの贈り物

私はいつ私を愛せるんだ?


朝食はガーリックトーストにミモザサラダ。豆を挽く音がする。食べ終わる頃にコーヒーが出てくる。

「いってらっしゃい。早く帰ってね」

うん、と言って頬にキスをする。車に乗り込む。ジャガーのEタイプ2。軽やかに走り出す。

いらない。全部いらない。


私がそのことに気付いてしまったのは昨夜。取引先から貰ったナンダカワインを飲んで嫁の身体を一通り熟し、シャワーに入った時。

自分の顔が何だか老け込んでいることに気付いた。愛してやまなかった自分の顔が、こんなにやつれている。

鏡に近寄って瞳を見つめた。真っ黒な瞳孔の中に、気味の悪い老いぼれの頭が浮いている。曇った鏡を手で拭って、もう一度私を見る。水滴を煌めかせる睫毛はまだ美しい。

自分を抱きたいと思った。鏡に身体を沿わせ自分のものを触って急いた。早くこの男に情を捧げたい。そうしてこの男の疲れを少しでも拭ってやりたい。しかし先程放ったばかりなので至ることはない。今まで感じたことのない激しい苛立ちが沸き上がった。

一体私はいつ私を愛せるんだ?

さっき抱いた時、首に手をかけて、骨の音が鳴るまで、そうしていれば……。

私は冷水を浴びて戻り、疲れているようだからと伝えて眠った。